
仕事も暮らしも「余白」を楽しみながらいまを生きる。
姉妹がみつけた本来の自分。
デュプレいしい / 石井 宏弥さん・石井 亜季さん
公開日:2026年7月9日
手放すことで見えてきた新しい景色


2023年の秋、姉妹は思い切って「今年はクリスマスケーキの予約を取らずにやってみようか」と声を掛け合いました。コロナ禍以降の物価高や働き方改革などが重なり、スタッフも自分たちも心身を守りながらお客さまに喜んでもらえる方法を探している中で浮かんだ案は、クリスマス仕様のショートケーキを予約を取らないかたちで販売するというスタイル。
予約のない12月を迎えてみると、店内の空気は驚くほど穏やかで、「こういう過ごし方もあるのか」と肩の力が抜ける思いでした。“クリスマスだから予約を受けるもの”という思い込みを外した途端、見える景色が少し変わったように感じます。
とはいえ「この選択で良かったのかな?」と不安が揺れる瞬間もしばしば。心がざわつけば状況も揺らぎやすくなるので、これからも自分たちの気持ちに耳を澄ましながら「楽しむ気持ち」と「よし、これで行こう」という覚悟の両方を抱え、揺らぎそのものを楽しめたら、クリスマスを振り返りながらお話ししてくれました。

さらに、ブライダルや葬儀の掛け売り受注もやめて店売りだけに集中。商品点数を絞り込み、店はぐっと身軽になります。お菓子の種類は絞っているけれど、お客様の満足度を保つためにギフトのバリエーションの数は減らさず、ラッピングにも工夫を重ねられています。


うすくスライスされた秋田杉をいただいたので、
ラッピングにつかってみました。

かわいい動物キャラクタークッキーも人気です。
新しいルールの書き換え
健康第一、19時閉店、残業なし、夜間作業は翌朝へ、週休2日。
自分たちで掲げた新しいルールで、身体の声が以前よりずっと届きやすくなりました。
健康への意識も高まり、食生活を大きく見直します。和食の要である麹を取り入れた発酵食を続けるうち、朝の目覚めが軽くなり、物事のとらえ方まで柔らかくなってきたのです。
もっと深く学びたい――そう感じた二人は、福岡へ足を運びました。
発酵食スクール『麹でロハス研修所』で初級・上級・薬膳の各講座を修了し、「麹士」の資格も取得しました。麹士講座で学んだことを活かしてフルーツと麹の酵素ジュースや梅シロップなど作ったり、からだにやさしいお菓子も勉強中。発酵食のすばらしさを周りにも届けたい。
その想いがふくらみ、厨房スペースをつかって「発酵クラス」を開く準備を進めているそうです。

発酵食文化の素晴らしさと伴に持続可能で健康的なライフスタイルの実践者としての『麹士』を養成することを目的としている『麹でロハス研修所』さん
https://koujidelohas.com/

何かを手放すたびに、思いがけない出会いが舞い込んでくる。
クリスマスの忙しさを手放して得た余白が、店の仕組みへと広がり、その循環のただ中で、二人は今日も軽やかに店の扉を開けています。




