
vol.72働き方改革に異議アリ!
弊社のお客さまは、小規模のケーキ屋さん、花屋さん、雑貨屋さんが多く、いまオーナーさんが抱える悩みのひとつが、人材不足です。
その解決策として、よく挙げられるのが「賃金アップ」です。
大半のオーナーさんは、「頑張っているスタッフの給料を上げてあげたい」と思っています。
それにはまず利益を出さなければならない、
利益体質にするには人材が足りない、
足りない人材で利益を出そうとするので無理が生じる、
結果的にスタッフとの関係がギクシャクする…
といった悪循環に陥っています。
このタイミングで、政府が打ち出してきたのが「働き方改革」です。
改革という言葉に何かが良くなると期待したのですが、結局のところ「休みを増やせ」という話。
オーナーさんの悩みは深くなるばかりです。
スタッフの休みを増やした分をオーナーさんがフォローできればよいのですが、もともと休む間もないほど働いてらっしゃることが多く、このままでは本当に疲弊しきってしまいます。
スタッフは単純に時間を切り売りしているわけではなく、商品そのものや接客が好きで勤めている人が多いです。
たとえば、ケーキ作りが好きな人が趣味でケーキを焼く場合、
何時間でも誰からも制限されることはありません。
ところが、お店に勤めてケーキを焼く場合、
時間が来たら「はい、ストップ!」と言われることになるのです。
経験を積み、技術を磨くことが幸せだと思う人もいるはずなのに…。
お花屋さんの場合は、お客さまと言葉を交わしながら、花材をチョイスして花束を作ることがあります。
そういった時間が楽しく、やりがいを感じている人も
「とにかく短時間で」と法律で縛ってしまうのです。
働く時間を短くするために、お客さまとのコミュニ―ケーションの時間を削り、雑な接客をしてしまうことがストレスになりかねません。
「休みが多く、働く時間が短いことが万人の幸せ」と言わんばかりの働き方改革に、異議アリ。
残念ながら私にも妙案が浮かびません。
“ 意義 ”アリの改革を望みます。
- ◆こぼれ話◆
- 何度も挫折しそうになりながら、発行を続けている暮松通信。
69号で、膝を傷めた話をしたところ、2人の友人がすぐに電話をくれました。
訪問先でも膝を心配してくれる方が多く、読まれていることを実感して心の中でガッツポーズ。
これに味をしめて、挫折しそうになったら、心配してもらえる話をします。
「かまってちゃん」とか「老害」とか言われない程度に(笑)
多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。
暮松 邦一

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