
vol.120人口減少時代に向けて
個人経営・地域密着型のケーキ屋さん、花屋さんが、弊社の主なお客さまです。
残念なことに花屋さんは5年ほど前から閉店が目につくようになりました。
自宅にお仏壇が無い、法事の簡略化など生活様式の変化で、売上のベースとなる仏花・供花などの需要減が要因のひとつになっています。
一方のケーキ屋さんは、消費者がコロナ禍で遠出を控えて地元の店に足を運ぶようになり、お店の売上が急増したケースがあります。
とはいえ、原材料の高騰や賃金アップ、人材不足などの影響で、コロナの5類移行後、苦戦しているお店が増えてきました。
こうしたピンチに陥ったときにお客さまを増やそうとやりがちなのが、幅広い層を対象にしようとして八方美人的にアレもコレも広げてしまうことです。
小さなお店がこれをやってしまうと、平均的な品ぞろえになってしまいます。
しかもコスト面の負担が大きくなり、悪循環に陥ってしまうのです。
ではどうすれば…。
様々な方法があると思いますが、自社の強みは何なのか?それを知ってそのポイントに磨きをかけて一段と輝かせるのがひとつの方法です。
自社の強みを活かして何かに特化した「ヨソにない魅力」があれば、広いエリアからの来店につながります。
たとえば弊社のお客さまに、チョコミントに力を入れている洋菓子店があります。
チョコミントは好き派・嫌い派がはっきり分かれます。
嫌い派にソッポを向かれるのを恐れず、好き派にアプローチして固定ファンを増やしています。
「これや!」は、意外と自分(自社)では見つけにくいのですが、現状を掘り下げると糸口が見えてきます。
なんでお客さまが来てくれるのか、なんでその商品が売れているのか、この「なんで」がわかると打つ手が見えてくるのです。
勇気を出してお客様に聞くことも必要ですが、今後ますます進む少子高齢化や人口減も計算に入れて、「磨いてやり続けること」「思い切ってやめること」をシビアに仕分けしましょう。
- ◆こぼれ話◆
- ずいぶん前に社内で、お客様に選ばれている理由を考えたことがあります。
多くのスタッフは一番の理由を「商品のデザイン」だと考えていたのですが、お客さまの声を集めてみると、「少量でも購入できる」でした。
これには全員、苦笑い…。
落胆しつつも、弊社が決して外せない「これや!」がわかったのは、その後の商品開発にとって大きな収穫となりました。
多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。
暮松 邦一

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