
vol.107ロングセラーの理由を探る
新商品の発売時は、どれも「売れる!」と思っています。
ドカンと売れて、その後ロングセラーになる予定なのです。
ドカンについては比較的短期間で結果がわかるものの、ロングセラーについては月日が経ってみないとわかりません。
今回は発売から20年前後の3つの商品を見ながら、ロングセラーになった理由を探ってみます。
●1つ目はギンガムチェックの袋。
チェック柄は、パソコンで直線を組み合わせると簡単にできますが、味気ない仕上がりになります。
糸を交差させた布地のような風合いを出すために、妥協知らずのデザイナーが手描きで仕上げてくれました。
こうした細部へのこだわりが、長年愛される理由のようです。
お客さまからも「なんか優しいチェックやなぁ」と言われます。
●2つ目はフロストバッグ。
まだアイテム数が少なかったころ、「ヨソと違うけど奇をてらわずオシャレなバッグ」という、ハードルの高い企画に取り組みました。
すりガラスのようなスモーキー素材を使い、ほどよい透け感を表現。
アルファベットを地模様のように並べて、透け具合に強弱もつけました。メッチャ売れました。
このシリーズで弊社の売り上げが数段アップしたほどです。
その後、至るところでデザインを盗用されました。
悔しいけど嬉しい。盗用されるほど良いデザインだったからこそロングセラーになったのでしょう。
●3つ目はスノーマンを印刷したクリスマス用の白いポリ袋です。
従来は1色印刷でしたが、デザイナーから4色案が出てきました。
1色増えるごとに原価がグッとあがるので「高くなるからあかん」と却下したところ、2色案が出てきました。
それらのサンプルを持って問屋さんへ行くと、「高くても4色がいい」という反応。
その言葉に背中を押されてゴーサインを出しました。
爆発的に売れました。
高い=売れないというのは間違いだと気づかせてくれた商品です。
バリュー(価値)が認められてロングセラーになったと言えそうです。
- ◆こぼれ話◆
- ロングセラーの理由を探ってみても、なにかひとつ正解があるわけではないので、結局は「後付けの理由」になりました。
売れている商品の自慢話みたいで面白くなかったかもしれません。
実はこの何倍、いやもっとたくさん、お蔵入りした企画や不発に終わった商品があります。
「そっちの話の方が楽しみ」という声が聞こえた気がするのは、被害妄想でしょうか(笑)
多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。
暮松 邦一

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