
vol.102一通の手紙と一枚の色紙
66歳になりました。
その2日ほど前、あるケーキ屋さんから手紙が届き、何度か訪れたナチュラルテイストのお店を思い浮かべました。
感想をひとことで言うと「想いが隅々に行き届いたお店」です。
店舗前の植栽や店内のレイアウト、装飾雑貨、POPなど、どれをとってもお客さまの視線・動線・心地よさを考えたものになっていて、駐車場にもその空気が漂っています。
ケーキが並ぶショーケースや焼菓子コーナー、ギフトコーナーなども、つい長居したくなる設えです。
もちろん、想いは商品にも反映されていて、「作った商品を買ってほしい」ではなく、「買いたいくなる商品を作る」を基本にしているのがよくわかります。
また、スタッフの接客が、このお店の空気感を創り出していることも記憶に刻まれています。
手紙の本題は、私と同世代のオーナーシェフが、引退はせず息子さんにバトンを渡すというものでした。
さまざまな決定権を社員に譲り始めた自分自身と重なり、「お互いよく頑張りましたね」という気持ちになりました。
こうした人気店は一朝一夕に完成するわけではなく、何年かかるかわからなくても、想いを持ち続けてやり続けるしかないと思います。
ちなみに、封筒はお店のオリジナルデザインで、宛名は達筆な筆文字、さらに切手はスイーツ柄でした。
一通の手紙にも想いが行き届いていて、参りました!
誕生日当日。
ここ数年、社員全員からメッセージカードをもらっていたのに、今年は色紙が一枚だけ。
その色紙には、部署ごとのQRコードが貼られていて、スマホをかざすと一人ひとりのメッセージカードが表示されるようになっていました。
これなら、いつでもどこでもアクセスして読めるうえに、カードの保管方法に悩むこともありません。
意外性があって楽しく、QRコードのユニークな使い方に感心しました。
ひとつだけ腑に落ちないのが、私のポジションが「みんなのお父さん」だったことです。
自分では「みんなの兄貴」のつもりなのに…。
- ◆こぼれ話◆
- 社員が増えて、お誕生日を祝ってくれる人が増えるにつれ、うきうき感も増すようになりました。
祝ってくれてありがとうという気持ちで、その日を「特別感を持って過ごしたい」という気持ちが強くなってきたのです。
社員がいなかったころを振り返ると、祝ってくれるのは、ほぼ家族。
それなのに、たびたび忘れられていました...
多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。
暮松 邦一

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