
vol.115みんなで手話に挑戦!
<堀井君を自慢したい:後編>
生まれつき聴覚に障がいがあり、いわゆる「障がい者雇用」の枠で入社した堀井聡太君。
ろう者(聴覚障がい者)とのコミュニケーションの手段として知られているのが「手話」ですが、社内に手話ができる人はいませんでした。
「筆談」も一つの方法とはいえ、スムーズに意思の疎通を図るのは難しそうです。
そこで、同じ部署のメンバーに、困ることがないか尋ねたところ、「ほぼ無い」との回答。
実は堀井君、相手の唇の動きを見て言葉を読みとり、発声、発言も健常者と変わらない読唇術を身につけています。
ろう者が口話でコミュニケーションを取るのは並大抵のことではないはずです。
その点は小さなころからご両親が熱心にトレーニングの機会を作り、ろう学校ではなく健常者と同じ学校に通わせていたそうです。
私の想像ですが、堀井君が泣くようなことがあっても、彼の将来を思い、時には心を鬼にして厳しく教育されたのではないでしょうか。
毎日の全体朝礼で、社是・経営理念・経営方針とクレドの12項目から1項目ずつ全員で唱和していましたが、コロナ対策として事業部ごとの朝礼に切り替えていました。
そんな中、堀井君が所属する部署では、社是や経営理念を手話で覚えることにしたそうです。
離れたところから見ていた隣の部署のメンバーは、「無言で踊っているように見えた」と。
それが手話だとわかり、全体朝礼が復活した現在では全員で練習しています。
手話を取り入れたことで、いままでは何の苦労もなく口をついて出ていた言葉の「一言一句の重みが増した」と、みんなそれぞれに感じています。
前回お伝えした通り、私は堀井君の採用・配属にはほとんどタッチしていませんでしたが、彼の負けん気の強さや礼儀正しさと謙虚な姿勢、感謝力とコミュニケーションが、周囲に好影響を与えているのは間違いありません。
採用から現在にいたるまで、トップダウンではなくボトムアップです。
私は堀井君を自慢したい。そして全スタッフを自慢したいです。
- ◆こぼれ話◆
- 障がいのある人が職場にいると、自分たちはサポートする側だと錯覚しがちですが、サポートは、お互いにしたり・されたりということを堀井君が証明してくれました。
私はWordやExcelの操作、もっと言うならキーボード入力もほとんどできません。スマホ入力と手書き専門です。
しかも「社長の字、読まれへん…」と言われます。
みんな、サポートありがとう!
多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。
暮松 邦一

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