
vol.83長所と短所は表裏一体
こんなジョークを聞いたことがあります。
沈没しそうな豪華客船の船長が、女性と子どもを先に救命ボートに乗せようとします。
そして男性客を説得する際、相手によって言い方を変えるのです。
アメリカ人男性には「君はヒーローだ」、イギリス人には「あなたはジェントルマンです」、ドイツ人には「ルールですから」。
これは、アメリカ人はヒーロー好き、イギリスは紳士の国、ドイツ人はルールに厳しいという国民性を反映したエスニックジョークと言われています。
船長は、日本人男性にこう言います「みなさんそうなさっていますよ」。
周りの人の顔色を伺って横並びの行動を取りがちな日本人を小馬鹿にしたジョークなので憤慨したいところではありますが、初めて聞いたときは「上手い!」と感心しました(笑)
この話を思い出したのは、コロナの第一波が落ち着き始めた5月中旬。
死亡率を低く抑えながら感染者数も徐々に減り、「感染拡大の防止に成功した国」と言われるようになったころです。
日本は医療先進国ですが、政府の対応は国内外から疑問視されることが多かったため、結果を不思議がる声もありました。
私は、国民性が影響したと思っています。
厳しい罰則や銃で脅されることもないのに、「みんながマスクをしてるから私も」「他社がテレワークなら当社も」「あの店が休業してるから当店も我慢」と、国民は自ら進んで粛々と…、まさに「自粛」を続ける傾向にありました。
商売の神髄は、人がやっていないことをやる、みんなが右を向いているときに左を向いて茨の道を行くことだと思っている私、そして弊社でさえ、交替制勤務で出社人数を半分に減らしていたのです。
ジョークの中で小馬鹿にされた国民性が、「成功した国」へ導いたといっても過言ではないはずです。
今号が発行される7月初旬、コロナは、そして経済はどうなっているのでしょう。
いままで短所と感じていた部分を長所として生かす視点を持ちたいものです。
- ◆こぼれ話◆
- 地域密着型の小さな洋菓子店や花屋のオーナーさんは、この春、コロナの影響を非常に心配されていました。
ところが、百貨店などへ遠出しなくなった近所の人の来店が増え、前年同時期以上、中には過去最高の売上をしたお店もあったと聞き、本当に嬉しかったです。
ただ、「ヘッズさんへの注文が間に合わず、あり合わせで包装した」という声も多く、本当に…(涙)
多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。
暮松 邦一

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