株式会社ヘッズ代表 暮松邦一の月いちコラム KUREMATSU TIMES(暮松タイムズ)
VOL.138

怒りも叱りもしなかった母

2025.04.01

昨年の暮れ、母が亡くなりました。94歳でした。
人生100年時代と言われる昨今、天寿を全うしたと思っています。
母は穏やかで、とても優しい人でした。
私は長男で、妹が2人います。
お葬式のあと3人で話をしていて、「今までお母ちゃんに怒られたことないわ」と言うと、妹たちも異口同音に「無い」と言いました。
3人とも怒られた記憶がないのです。

高校生のころ、ちょっとした悪さをして、母と一緒に学校に呼び出されたことがあります。
その時も怒られた記憶がありません。
同じころ、夜更けまで友達と遊んでいて、遊び疲れて家に帰りました。
いまのように携帯電話は普及していませんし、そもそも家に連絡をすること自体頭にありません。
帰ると、家の前に母の姿がありました。
「怒られる!」と思ったものの、「早く寝えや」と言われただけです。
この時ばかりは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、自己嫌悪に陥りながら床に入った記憶があります。

「怒る」と「叱る」は違うとよく言われます。
「怒る」は、相手のことは二の次で自分の感情をぶつけること、「叱る」は相手の成長を促すための注意やアドバイスとも言われています。
母は、怒りも叱りもしませんでした。
3人の子どもが道を誤らないように信じて、ただただ見守ってくれていたような気がします。
振り返ってみると、その母の在り方に感謝の気持ちが芽生え、この人を裏切れないというか、この人のためにできることは精一杯してあげたいと思うようになっていったのです。
叱らないのが良いのかどうかわかりません。
ただ、私たち3人には適していたと感じています。

私が43歳、母が68歳のころから25年ほどずっと、年に一度は家族旅行をしていました。
よく耳にする「孝行のしたい時分に親はなし」を教訓とした、せめてもの親孝行でした。

お母ちゃん、本当にありがとう。
もういないのですね。
まだ実感が湧かず、また一緒に旅行できそうな気がしています。

こぼれ話

社員の定着率が悪く、毎月のように歓送迎会をしていた黒歴史。
自分の都合で社員に不機嫌な態度を取ったり、感情に任せて怒ったことが無いとは言えないです。
2010年に「人本経営」と出会い、徐々にホワイト企業と認められるようになったのですから、もうブラックに戻るわけにはいきません。
もしいま、感情に任せて怒ると、「老害」と認定されそうです…

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暮松 邦一(著)

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多くのお客さまを訪問させていただいた中で、「スタッフとの関係性をどうしていくのか?」「離職率が高い」という、『人』についてのお悩みをよく耳にしました。
この暮松通信でもたびたびお話しているとおり、私もかつて毎月のようにスタッフの送別会を繰り返していたという黒歴史を経験しています。
そこから『人本経営』と出会い、時に失敗しながらも続けてきた施策や経験の他、同様に人本経営を実践する友人たちの声をまとめた一冊です。
この本が、皆さまのより良い会社経営の一助になれば幸いです。

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